集中力は無限にあるという勘違い
集中力は、何をするにも必要な力です。
勉強や仕事はもちろんのこと、スポーツやゲームなどでも集中力を使っています。
さて、その集中力ですが、あなたは無限にあるものと思っていませんか??
これは集中力というものに形がないからそう見えてしまうだけです。
1日に使える集中力には限りがあり、ある程度本気で集中したあとは疲れてろくな思考ができなくなります。
それもそのはず、もともと人は集中力が長続きしないようにできています。
自然界では、なにか一つのことに没頭することはタブーとされているからです。
たとえば自然界で、食べれるものを見つけて食べていたとします。もしこの食事中に自分の外敵が現れたとしても、「食事」に全力で集中しきっていたら気づけませんよね。
ですがたとえ食事中でも、必要最低限の注意を周囲に払えていればすぐに外敵に気づけます。
このように、「集中力が長続きしない」というのは、動物が身を守るために行っている本能的なものなんです。
ただ、勉強や作業をしているとき、勢いに乗っているとつい「自分すごい!一生集中できてしまいそうだ!」と感じてしまいます。
これが夜も続くものだと勘違いし、無茶な計画を立てて夕方には疲れ切ってしまうパターンが多いです。
なので、集中するにもコツが必要です。
まずは、「長時間集中し続けること」をやめましょう。
ノンストップで2、3時間勉強を続けた場合、後半は頭への定着率がかなり少なくなります。集中しているつもりでも、脳は疲弊しているからです。
実際にトップレベルのプロヴァイオリニストは、1日に長くても4時間半以内の練習時間が多いらしいです。
こう聞くとかなり少ないように感じますが、実はこれはかなり理にかなっています。
それは「ウルトラディアンリズム」と呼ばれる生活リズムが人にはあるから。
睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠があることはみなさんご存知ですか?
睡眠が90分間の周期で眠りの深さが深くなったり浅くなったりすることです。
実は集中力のジャンルにも、集中力の強い90分間とそうでない20分間のサイクルがあることが分かりました。
これをウルトラディアンリズムと呼ぶのですが、活かさない手はありません。
ウルトラディアンリズムを上手く使うには、90分間は1つのことに専念して、他は「捨てる」覚悟を持つこと。
たとえば、本を読むと決めた90分間はLINEが来ても無視しましょう。
こうすることで1つのことに集中力を1点投下することができ、効率はアップします。
そして、我々人間ができる最高のパフォーマンスというのがは、「小さい集中を繰り返す」ということ。
課題をするための時間が余分にあると、それに応じた結果を出そうとしてかえって成果が悪くなったり、期限までに間に合わなかったりしますよね。
これを「パーキンソンの法則」といって、仕事は時間のあるかぎり伸びていくというもの。
時間があると様々な選択肢が頭に浮かび、それをあーだこーだと考えるうちに脳が疲れます。結局、期限に間に合わなかったり、質が本来よりも落ちたりしてしまうんです。
そういう面からも、ウルトラディアンリズムを使った90分周期の勉強は良いんです。実際に大学でも採用されていて、授業は1コマ90分間になっています。
変に時間を長く見積もらずに、90分で1ジャンルを終わらせるつもりで勉強しましょう。
長く感じたら、1課題につき30分で区切る、なんかも良いですよ。
このように、集中力は有限で、いかに上手く使うかにかかっています。
普段、勉強を時間で全く区切らずにぼんやりした時間が多いなという方は、ぜひ「集中力を細切れにする」ことを意識してみてください!!