記憶力が2倍になる「好奇心」の効果
「好奇心」は、勉強をスムーズにしていくのにとても重要なポイントです。
自分が興味がある内容と興味が無い内容だと、興味があることの方が覚えが早いというのは言うまでもありません。
2014年、カリフォルニア大学が、好奇心が記憶にどのような影響を及ぼすかの実験を行なっています。
その実験では「顔写真を覚える」ということをテーマに、被験者を2つのグループに分けました。
①何もせず、普通に顔写真を覚える
②興味深いようなクイズを出し、答えを出す前に顔写真を覚える
②の興味深いようなクイズとは、「ウィンナーとソーセージの違い」などの「そういえば知らないなぁ」という気になる内容のものが多く選ばれています。
そのあとに顔写真をどれだけ覚えているかのテストを行ったところ、驚くべき結果が出ました。
普通に顔写真を覚えたグループより、興味を引くクイズをしながら顔写真を覚えたグループの方が、2倍も成績が良かったんです。
さらに、この記憶力アップの効果はその日だけにとどまらず、翌日までも違いが出たそうです。
一時的なものでは無いということも証明されていますね。
この実験結果から分かったのは、「好奇心」が記憶力を上昇させるということ。
これは、脳にある「報酬系」と呼ばれる部分が活性化することによって起ります。
脳の報酬系はモチベーションをつかさどる部分で、活発になればなるほどやる気が上がります。
加えて、脳の報酬系は海馬という部分に隣接しています。脳は活性化している近くの部分も良い影響を受けます。
つまり、記憶に関する大きな役割を果たしている海馬も働きが活発になるわけです。
逆を言えば、脳は好奇心が得られないものはまったく覚えられません。
報酬系も海馬も働きづらいのですから、当然と言えば当然です笑
さて、先ほどの実験で面白いのは、好奇心をくすぐられることによって興味が無いような内容に対する記憶力が上がった点です。
もし今からしなくてはいけない勉強に対してまったく興味が持てなかったとしても、その前に好奇心を持つようなことをすれば問題ありません。
しかも内容はなんでも良いです。ゲームでも漫画でも、興味があるものならなんでもかまいません。
ただ、これをするのにも1つコツがあります。
それは好奇心が長く続くものです。
たとえばゲームであれば、終わってしまえばそこまでで好奇心は途切れてしまいます。
ですが、ミステリー小説や謎解き、クイズなどで頭の中に「?」が浮かぶような内容であれば、好奇心による脳の活性化は長く続きます。
基本的に脳は、知識と知識のあいだにある空白を埋めたいという欲求があります。
なので、その場で完結してしまうものより、話の続きが気になるという状態で勉強に入るのがベストというわけです。
好奇心が脳の報酬系と海馬に与える影響は小さいものではありません。
しかも今回は、勉強の前に楽しいことをするだけで記憶力が上がるという、一石二鳥のテクニック。ぜひ試してみてください。